まごまごボート部㊵ 最終回
- 2015.03.24 Tuesday
- 00:52



100m地点 25秒・・・「行こうー!合わせてーキャッチ!合わせてーキャッチ!」 コックス二宮の掛け声に、オールのリズムをピッタリ合わせグングン進んで行く5人のボート。
200m地点 51秒・・・得意のスタートダッシュに成功し、先頭争いを繰り広げる彼ら、まさに互角の戦いだ。会場に詰めかけたファンも懸命に声援を送る。
300m地点 1分18秒・・・「合わせてーキャッチ!合わせてーキャッチ!いい調子だー!!」 光さんも自転車で追いかけながら、彼ら5人に檄を飛ばす。



500m 2分03秒・・・「合わせてーキャッチ!合わせてーキャッチ!」 二宮の指示に合わせて懸命に漕ぐメンバーたち。前半500mは横一線で首位争いを繰り広げるまごまごボート部。しかし・・他チームが一気に追い込みをかけ始めた。そして次々と彼らを追い越していく・・。 「あらし!あらし!」 会場からは嵐コールが響き渡る!



絶対的な体力不足を気力でカバーする5人。 「足入り3本!スタート!さあ行こう!」 前との差はどんどん開いていく・・。



そして気づけば圧倒的な大差がついていた・・。だが5人は決してオールを漕ぐ手を止めなかった。光さん、日大の仲間、観客の声援を受け、さらに力を込めていく。 「足入り5本!さあ行こう!4・5!ラストスパート!さあ行こう!!」 「しゃー!!!」 大声で気合を入れる櫻井!!



「ゆっくりーキャッチ!ゆっくりーキャッチ!みんなが応援してるぞー!さあ行こう!」 もうゴールは目の前! 「頑張れー!!頑張れー!!」「あらし!あらし!」 盛大な嵐コールも湧きあがる!! そして・・・



ゴール!! 「ゆっくりーキャッチ!ゆっくりーキャッチ!以上ー!お疲れ様!」 結果は最下位。しかし自己ベスト記録4分17秒をたたき出した。客席からは健闘をたたえる惜しみない拍手が送られた。力を出し切って肩で息するメンバーたち。一方、レース前に納得のいく漕ぎが出来ればと語っていた櫻井だが・・・ゴール直前でオールを水に取られ完全燃焼出来なかった・・・。チームも4分を切るという目標を成し遂げることが出来なかった・・・。



メンバーはみな、持てる力を出し尽くした。手足は震え体を支えることで精一杯。しかしゴールの瞬間まで、誰一人投げ出すものはいなかった。 「スタートはどうだっだ?」 「スタートは良かったよ!」 「あんまり離されて無かった?」 「うん。最初の250〜300あたりまで、1位だったよね。」 ひとり途方にくれる櫻井。自分が最後まで完璧に漕ぐことが出来れば、あるいは結果が違ったのでは・・。そういつまでも自分を責め続けていた。



しかし、このレースで自己記録を大幅に更新したことも事実。そんな彼らの労をねぎらおうとレースを終えた5人のもとへ光さんが駆け寄り、4分を切るという目標こそ達成出来なかったが、コーチとしてチームを見てきた中で最高の走りだったと5人を褒め称えた。そんな光さんの言葉に、メンバーの顔からもようやく笑みがこぼれた。



負けたとはいえ、己の力を全て出し切ったメンバーたち。彼らの姿に、レースを見ていた会場の人々も盛大な拍手を送った。
戸田中央総合病院RCの方のコメント
「たいしたもんですよね。だって(ボート始めて)まだ半年?(3か月。とスタッフ)いや〜3か月であそこまで漕げたらたいしたもんですよ。
埼玉県ボート協会理事長のコメント
「学生なんかは毎日のように練習していますので、それに比べたら練習量から推測すれば、格段に速い進歩ではないかと思います。ぜひ続けて、ボートの楽しさというものを分かってくれるとうれしいですね。」
そして、ボートから岸に上がったメンバーたちは・・「オールメンでいきましょう。艇持ち上げよう。」 「最後のオールメン?(笑)」 「1・2の3!」 「ひっくり返す?」 「このまま上げます。」 みんなで力を合わせて、共に戦ってきたボートを担ぎ上げた。慣れ親しんできたこの艇とも今日でお別れだ。
改めて光さんからの一言。「目標としていた4分は切れなかったけど・・みんなが楽しんだかどうかが問題で、恥ずかしくないレースをしてくれたので私は満足です。漕いでくれてありがとう・・・」 嵐5人の100日にわたる戦いは終わった・・・。最後に、ボートマンの命であるオールを片付ける。彼らはこの挑戦を通じて何を得たのか?



3か月間に及ぶ戦いを終え、5人は全てがはじまったあの場所へ・・・。「ちょうどここですよ。ここで僕は光さんに、3か月お世話になっていいですかって・・・」 3か月前の夏、光さんに出会いそしてボートに出会った。何も分からずとまどうばかりだった日々。ボートへの情熱が高まりゆくあまり、時には擦れ違い、ぶつかり合うこともあった6人。若い人と一緒にボートを漕ぎたいという光さんの夢。それはいつしか嵐5人の夢へと変わり、まごまご嵐ボート部はゆるぎない絆を得た。そしていよいよ、共に歩んできた光さんとの別れの時・・・。



光さん・・「まあ我々の共に経験してきた3か月というのは本当に有意義で、私にとっては非常に長い40年のボート歴の中で、たった3か月だげども、ほんとに有意義な3か月でした。」
〜レースが終わってのメンバーの感想〜
相葉 「もうねえ、ぜんぜん分かんなくなっちゃってレース中は、もう根性だけで漕いだ感じ。だから終わった後すごい気持ち良かったですよ。」
櫻井 「もう1回やりたいね俺は。はじめたその時に思ってたよりはイケた。だって乗れなかったんだよ。コケちゃって水にドボンしてたのがここまで出来たってのはイケた。ただ、結果はやっぱり悔しい。すごく悔しい。」
二宮 「やってる最中はすごく時間がスローモーションに流れて行ったし、すごく(滅多に)体感出来ない試合だったと思いますね。」
松本 「ボート自体の楽しさは、すごく感じたし5人だけで艇乗って動かすというのはすごくいい時間でしたね。」
大野 「嵐が、5人が一つになってゴールに向かう感じがすごく、感じられたからすごい試合やってて面白かった。」
そして最後に皆で円陣を組み掛け声をかけるキャプテン大野。
「3か月ありがとうございました!まごまごボート部!」 「以上ーーー!!」

そして、最後に光さんからのメッセージ・・ 嵐 ありがとう!お前達の事は忘れない

これにて長きに渡った「まごまごボート部レポ」も終了!お付き合いいただき、ありがとうございました!